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町長メッセージ_平成30年3月1日

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町民一人一人の復興"と"町の復興"をめざして

町長メッセージ_平成30年3月1日
(2018年3月1日更新)
 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故から3月11日で丸7年の月日が経とうとしています。

 全町避難という世界にも類を見ない大災害に見舞われ、先が見えない不安な状況が長く続いておりますが、大震災から8年目となる今年は、1月28日に町復興の先駆けとなる中野地区復興産業拠点整備事業の起工式を行い、吉野正芳復興大臣をはじめ国、県、町の関係者の皆さまのご列席のもと工事の安全を祈願することができました。平成30年は双葉町の復興が本格的に始まる復興まちづくりの具現化元年と位置づけており、双葉町でもようやく復興の槌音が響く日がやってまいりました。これもひとえに町の復興のためにご理解をいただき、断腸の思いで用地をご提供くださった当該地区の地権者の皆さま方のお陰であると心から感謝申し上げる次第です。重ねて御礼を申し上げます。

 復興のスタートとしてまずは、アーカイブ拠点施設や産業交流センターを2020年度の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて開業できるよう、今年の秋頃を目指し、これらの施設の予定区域となっている街区の整備を先行的に進めていきます。アーカイブ拠点施設・産業交流センターを活用した情報発信を行うことにより、周辺の施設とも連携しながら、被災地への人の流れと巡回を生み、本格復興に向けた推進力としていきます。
 一般の産業団地の街区についても、用地買収が完了したところから整備を進め、今年度末には順次分譲を開始できるよう、取り組んでまいります。
 中野地区復興産業拠点は、30年とも40年とも廃炉作業が続くとされる福島第一原子力発電所の最寄りの産業団地となるものであり、町の復興の原動力となることはもちろん、原発事故からの復興のため、安全・安心な廃炉の推進等にも役立つと考えております。このような考えのもと、東京電力HD㈱に対し、東京電力福島復興本社の中野地区への立地を求め続けておりましたが、町および町議会からの年頭要求の回答として、2020年を目処に中野地区への移転方針を東京電力福島復興本社の大倉誠代表から示されました。町としては大変喜ばしいことであり、東京電力HD㈱には、現場の最前線で廃炉を安全、確実に進めていただくとともに、福島復興本社には、町の復興を牽引する中野地区復興産業拠点の中でも特にその核としての役割を担うことを期待しております。
 また、中野地区に整備する産業交流センターのレストラン、土産物店舗等の商業施設については、町商工会と連携し、入居テナント募集を始めております。

 ようやく念願の復興事業が動きだしましたが、双葉町の復興はスタートしたばかりであり、本格復興に向けては乗り越えなければならない多くの課題があり時間を要します。生活再建支援の継続・充実はもとより復興の歩みを着実に進めてまいりますので、町民皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

 3月11日にはいわき市勿来町において「東日本大震災双葉町追悼式」を挙行いたします。震災で亡くなられた方、ふるさとに帰ることができずに無念のまま避難先で亡くなられた方々に対し、心からご冥福をお祈りするとともに町の復旧・復興に向けて歩み出したことを報告したいと考えております。

 今年は最強寒波が日本列島を覆い、日本海側では大雪に見舞われ、都心部でも積雪があり、気温の低い日が続きました。3月の声を聞くと春が近づいたような気がしますが、まだまだ寒さの厳しい日々が続きます。お体に気をつけてお過ごしくださいますようお願いいたします。

双葉町長 伊澤 史朗