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学校教育の充実を目指して(その11)_教育長メッセージ(2015年2月17日)

学校教育の充実を目指して(その11)_教育長メッセージ(2015年2月17日)
(2015年2月17日更新)
 昨年12月20日、郡山市・ビッグパレットで、「第1回ふるさと創造学サミット」が開催されました。今年度から双葉郡全小中学校で取り組んでいる、「地域の復興を担う人材育成」及び「子ども達の探究的な学び」を目指す、「ふるさと創造学」の学習の成果の発表会として位置づけられたものです。本町からは小中学生7名が代表で参加し、それぞれの学校の今年度の取組み、地域に関する学習の成果を約400名の聴衆の前で堂々と発表しました。また、「ふるさと創造学」の今年度の取組みとして、島根県海士町への研修旅行が12月に、そして「教職員による子ども未来会議」が1月にそれぞれ実施されました。以下は、研修旅行の感想文です。今回の研修には本町からの参加者はありませんでした。次回は是非参加して欲しいと思います。

双葉町民へのインタビューへの感想を述べる、小学6年 野村さん、木幡君

双葉ダルマに関するクイズを考えた、小学5年 大高君
 
仮設住宅の町民へのボランティア活動について報告する、中学1年 浪江さん、太田さん、紺野さん、澤上さん(左より)

 子ども達の生きる力を育てる島根県海士町の教育に学ぶ!

 平成26年度「ふるさと創造学 研修旅行 in 島根県海士町」に参加して

 12月20日、郡山市ビッグパレットでの「第一回ふるさと創造学サミット」の熱気と感動の冷めやらぬままに、今度は25日から2泊3日の島根県海士町での研修旅行へ出発することになった。双葉郡から中高校生8名を引率し(中学生6名、高校生2名)、全国的に評判の高い隠岐島前高校での取組みを学ぶことを狙いとするものであり、サミット同様の新しい試みで不安と期待の交錯する中、東京から10時間もの長旅にいよいよつくことになった。
 海士町に着くまでの飛行機、フェリーの中で、二つの疑問を反芻していた。「人生の価値観が変わる程の衝撃だった」、とは、昨年1月に海士町に訪問した郡内教育長を中心とするメンバーの一人が述べていた感想である。「果たして、それ程までのショッキングな実践なのか」という疑問である。もう一つは、「果たして、8人の生徒達が研修に積極的に参加してくれるだろうか」という疑問であった。
 一つの疑問は到着後の最初の研修でほぼ氷解し、翌日の隠岐島前高校での双葉の生徒達のプレゼンテーションやその後の質疑のやり取りで完璧なまでに消滅した。島前高校生の高校生とは思えぬ堂々とした発表態度、質の高い取組みの内容は予想通りの驚きであったが、その島前高校生と競うかのように、それぞれの町村の特色、震災後の状況、自分達のふるさとに対する思い等を、丁寧に且つ心をこめて発表していた双葉の生徒達のプレゼンテーションは実に見事であった。事前の準備が周到になされていたにしても、彼らの能力、意欲の高さには目を見張らせられるばかりであった。仮設住宅の高齢者へのボランティア活動や原発の是非に関する明確な意見の発表等もあり、震災後いかに彼らが悩み、苦しみそして考え行動していたか、胸が詰まる思いであった。自分のみならず、島前高校の生徒や先生方にも強く印象に残ったに違いない。
 島前高校での研修を終え、午後のフィールドワークでのIターン(県外からの移住者)の人達との交流、夕方の、海士町が推進する「魅力化プロジェクト」スタッフによる「夢ゼミ」への参加で、なぜIターンによる移住者が、なぜ県外からの島前高校への入学希望者が毎年増えているかの理由が一つ又一つと想起され、新たな驚きとともに、これほどの取組みを双葉郡各校の教育でもふたば未来学園でも採り入れないという手はないと、頭はすでに旅行の疲労から覚醒し、双葉での次なる「ふるさと創造学」の可能性に向かっていた。
 海士町の支援を全面的に受けた「魅力化プロジェクト」チームが小中学校から高校に至るまでの教育改革及び質の高い教育の実践、特に高校側との連携で進める「夢探究」の授業。個々の生徒の学び方、生き方に関わる、何と、密度の濃いカリキュラムなのか。そして、「夢ゼミ」で展開されている興味深いディスカッション。思考、表現の楽しさ、議論の深まりを追求することの喜びは若者の心をきっと揺さぶるに違いない。現に双葉からの生徒達が目の前でそれを体感しているではないか、そう確信する程の刺激的なゼミであった。更には、隠岐島がPRする「ヒトツナギ」プロジェクトに象徴される、素晴らしい人達との出会いの機会も、本土から隠岐島へと足と目を向けさせる原動力の一つなのであろう。
 2日間の研修を終え、民宿での夕食会では、島前高校の校長先生始め「魅力化プロジェクト」のスタッフの皆様、更には島前高校生も参加する、というサプライズに加え、海士町長さんからの差し入れ、民宿の女将さん、おばあさん達による伝統の踊りの披露までサービスされ、会場一杯に海士町の素晴らしい「人」達との交流の輪、感動の輪が広まった。2日間の食事に出された新鮮な魚料理は、すべて民宿のご主人が近くの海で捕った物ばかりで、伝統踊りを盛り上げた三味線演奏者兼民宿の従業員は、やはりIターンの一人であったことも、忘れてはいけない大切な研修の思い出である。
 境港での研修の振り返りで見せた、全参加者の充実感溢れる表情にふれ、この研修の意味の大きさを再確認するとともに、次年度も海士町の研修を是非実現し、より多くの生徒達そして先生方も参加させたい、そんな思いを帰りのフェリーの中で反芻していた。
 共に研修参加者の引率に携わり様々な面でご協力頂いた、楢葉町の矢内教育長、川内村の薄教育課長、広野中の高橋校長そして今回の研修旅行の企画、準備の一切に奔走した、「双葉郡教育ビジョン推進協議会」事務局の赤司、山中両名に心より感謝したい。

 双葉町教育長 半谷 淳