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学校教育の充実を目指して(その13)_教育長メッセージ(2015年3月23日)

学校教育の充実を目指して(その13)_教育長メッセージ(2015年3月23日)
(2015年3月23日更新)

 全国の避難生活をしている子供たちへ!「卒園・卒業お祝いメッセージ」

 町立学校での卒園・卒業式
 去る13日、いわき市の町立学校仮設校舎で、双葉中学校の卒業式が挙行されました。東日本大震災後4年振りでの卒業式でした。卒業生はわずか1名でしたが、多くの来賓の出席の下、盛大に挙行されました。震災後、避難生活での様々な苦労を乗り越えて卒業式を迎えたことは実に意義深いことであり、本人は勿論、家族の皆様の喜びは言葉には表すことができない程ではなかったか、と推察されます。今月23日には、双葉北小学校、ふたば幼稚園の卒業、卒園式が同じ町立学校仮設校舎にて実施される予定です。
 避難生活の苦労を乗り越えて
 さて、全国各地で、未だに2011年の大震災及び原発事故により避難生活を余儀なくされている子供たちの中にも、この3月無事卒園式、卒業式を迎えることができた人が数多くいると思います。双葉町立幼稚園、小中学校の子供たち同様に、心よりお祝いの言葉を贈りたいと思います。ご卒園、ご卒業、本当におめでとうございます。
 2011年の大震災そしてその後の原発事故は、皆さんの生活に大きく影響を及ぼしたと思います。何より、住み慣れたふる里、双葉町を離れ、仲の良い友人と離れ、中には家族とさえ離れ離れになった子供たちもいるのではないか、と思います。中には、避難先での生活環境になかなか適応できず、新しい学校での友人関係も上手く築けずに、不登校に陥った子供たちもいるように聞いています。このように、避難先での新しい生活、新しい学校生活での様々な苦労は、双葉町立学校の子供たち同様に大変辛く、厳しいものであることを想像するに、実に心が痛みます。 
 そのような厳しい状況に置かれながらも、様々な困難を乗り越え、様々な経験を自分の財産として活かし、避難先での新しい生活に生きる喜び、生きる楽しみを見いだし、自分のすべきことをしっかりと自覚し、たくましく毎日毎日を生きてきた皆さんに、めでたく卒園、卒業を迎えられた皆さんに、心から拍手を贈りたいと思います。ある意味で、皆さんは人生の勝利者です。大変立派です。

 悩みを苦しみに変える
 「経験に勝るものはなし」という教えがあるように、避難生活での経験は実に貴重なものであり、そこから学ぶことも実に多くあると思います。避難生活を、全くと言ってよい程苦しいとは思わず、新しい環境に即慣れてたくましく歩んできた皆さんにとっては、これまでの経験は今後の生活での多くの場面で色々と活かされることでしょう。何事にも自信を持ち、取り組んでいって欲しいと思います。一方、様々な問題を抱えて、なかなか悩みから抜け出すことができない皆さんにとっても、この経験は大切であると考えます。悩みは人を成長させます。決して悲観することはありません。じっくりと自分と向き合って下さい。できれば、自分の悩みを誰かと共有して下さい。悩みを解決するためのヒントが得られるかも知れません。
 「悩みを苦しみに変えよ」という言葉は、自分がかつて悩みを抱えた時に読んだ本で出会った言葉です。本の著者は精神科医で、「今の自分の悩ましい状況に頭を抱え、何もなせずにいることから何かしらの変化を求めて行動する、いわば新しい苦しみを自分で求めよ」というような教えでした。確かに、今の自分を変えるための新たな一歩を踏み出すことは、大変苦しいことかもしれません。でも試す価値はあると思います。是非、明日への一歩を踏み出す勇気を持って下さい。

 「ふるさと創造学」の取り組み
 さて、双葉郡内の各小中学校では、この一年間、震災からのそれぞれの地域の復興を目指して、子供たちの新しい学びの形の追究に取り組んできました。「ふるさと創造学」の取り組みです。子供たち自身が地域の復興、自らの生き方を考え、更には子供たち一人一人が課題を持ち、その課題を深く追究して学び、発表する取り組みをしてきました。実に多くの発見、学び、感動がありました。子供たちの表情に笑顔と自信が見られ、先生方、地域の人達も子供たちに負けじと、より意欲的な取り組みが学校で、地域で見られました。
 大震災や原発事故で、それぞれのふる里は大きく変わり果て、未だ帰還の見通しが立たない町や村もあります。「先が見えない」と現状の厳しさを嘆くのか、見えない現状の中で生きるヒントを見い出そうとするのか、常に問われる問題です。皆さんと共に考えていきたいと思います。ともかくも卒園、卒業、誠におめでとうございます。

 双葉町教育長 半谷 淳