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学校教育の充実を目指して(その17)_教育長メッセージ(2015年8月3日)

学校教育の充実を目指して(その17)_教育長メッセージ(2015年8月3日)
(2015年8月3日更新)
 1学期も終わり、いよいよ夏休みです。全国に避難しているふたばっ子たち、皆1学期それぞれに頑張ったことと思います。8月1日、2日には、いわき市のスパリゾート・ハワイアンズ「集まれ!ふたばっ子2015」が開催されました。友達との再会を、そして盛りだくさんのイベントを心行くまで楽しんでいたようです。町立学校入学への相談に来る保護者が続いています。2学期には子どもの数が増えるのではないか、と期待しています。お子様の町立学校への入学、教育の相談については、ぜひ教育総務課へ。 ※担当、阿部指導主事 TEL:0246-84-5210

 文化財レスキュー(救出)、震災記録の収集について!

 震災以降、教育委員会として町の重要文化財のレスキュー、保存そして震災の記録の収集、保全作業に取り組んでいます。これらの作業については、これまで町民の皆さまにはあまりお知らせしてきませんでしたが、実に重要な作業であると思います。今回はそのことについて、少し考えてみたいと思います。

 文化財レスキューの現状
 大震災以降これまで、町内の文化財のレスキュー、保存作業として、清戸迫横穴(国指定)、寺内前の阿弥陀如来坐像(町指定)、目迫の十一面観音坐像(町指定)の三カ所について関わってきました。清戸迫横穴については、玄室内に外から樹木が入り込んでいる、外部斜面のコンクリートに亀裂が生じ草木が入り込んでいる等の問題が発生し、それらの問題について、専門家の意見を聞きながらレスキュー、保存に取り組んでいます。阿弥陀如来坐像及び十一面観音坐像については、震災の影響でお堂が傾き仏像が破損する危険があり、寺内前の仏像から救出し、目迫の仏像も今後救出する予定です。救出作業は、所有者及び地区の役員の皆さまの協力を得て、慎重に進めてきました。

 文化財レスキューの意義
 文化財のレスキュー、文化財の保存は町にとってはもちろんのこと、町民にとっても重要であることはいうまでもありません。この機会に、どのような文化財が町にあるのかについて知ることが大切だと思います。清戸迫横穴や前田の大杉については、多くの町民が知っていると思いますが、それ以外の文化財については意外と知られていないように思います。次に、これらの文化財のレスキュー、保存のために、専門家をはじめ地域住民や町のスタッフ等多くの人々が関わっていることを考えて欲しいと思います。町の歴史、文化の保存・継承そのものです。震災からの復興と密接に関わっている問題だと考えます。町の歴史、文化は町民の心の中に様々な形で存在しているものであり、言わば、心の拠り所そして町民の誇りでもあると思います。それゆえに、何としても重要文化財のレスキュー、保存の作業を進めなくてはいけません。一連の作業を通じて、実に多くのことを考えさせられます。

 震災の記録の収集、保全
 平成27年4月16日、筑波大学の白井哲哉先生が中心となり、ホームページ「福島県双葉町の東日本大震災関係資料を将来へ残す」を立ち上げました。平成25年以後、白井先生と双葉町教育委員会が共同で震災の記憶や記録の収集・保全作業に取り組んできており、その成果として公開されたものです。ホームページの特徴として、(1)帰還困難区域内に今なお残る、東日本大震災当日夜の避難所跡の現状写真 (2)双葉町役場埼玉支所及び旧騎西高校避難所に対して、国内外から寄せられた支援・慰問・激励の品々の写真、の2点が挙げられていますが、筑波大学では、「現在における災害の失われがちな記憶・記録の継承に着眼した点で、また2つの特徴的な記録の内容から他に例のないもの」と、この事業の意義を強調しています。

 震災の記録「ホームページ」への期待
 ホームページを見て感じることは、100点程の実に多くの写真が掲載されており、その写真の一枚一枚が被災直後の子ども達の困惑する様子、避難所での町民の困難な様子を物語り、そして今なおそれぞれの写真から様々なメッセージを感じ取ることができます。また、避難所に国内外から寄せられた心温まる支援、激励の品々。白井先生はじめ筑波大学で期待する、「双葉町民にとっての心の支えになってほしい」との思いは十二分に伝わるのではないか、と感じます。さらには、全世界の人々の東日本大震災への関心を満たすものであり、専門家の研究の資料としても貴重な物であろう、と思います。双葉町民にとっても、震災を振り返る機会となるでしょうし、震災について新たに知る、考える機会としても可能になるのではないか、と考えています。今後、ホームページに新しい写真や資料が追加されるでしょうし、すでにその依頼も届いています。未曾有の大震災を経験した者として、記録の収集、保全、調査研究等に関心を持ち、自らもその作業に参加することは実に意味のあることであり、文化財のレスキュー・保存とあいまって、震災からの復興、町の歴史・文化の継承を担う、いわば町民としての責任を果たすことになるのではないか、そのように考えています。ぜひ、ホームページをご覧になり、貴重な写真、資料等があれば、お寄せ下さい。
 
 双葉町教育長 半谷 淳
十一面観音坐像(目迫)
筑波大学ホームページ「福島県双葉町の東日本大震災関係資料を将来へ残す」