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学校教育の充実を目指して(その22)_教育長メッセージ(2016年1月1日)

学校教育の充実を目指して(その22)_教育長メッセージ(2016年1月1日)
(2016年1月1日更新)
 11月22日(日)、東京都調布市にあるアメリカンスクール・イン・ジャパンの高校生、教師計19名が修学旅行でいわき市の役場庁舎及び町立学校を訪れました。一昨年に続き2回目の訪問になります。前回同様、震災後の避難状況と学校の立ち上げの説明を聞き、その後学校の校舎を見学しました。
 3学期から、幼稚園児2名が新たに入学する予定です。幼小中学校の子どもの数は合計で24名(幼稚園4名、小学校10名、中学校10名)になりました。昨年4月の開校以来、13名の増加です。町立学校の施設・設備と少人数教育の良さが評価されているようです。次年度も更なる増加が見込まれます。
 お子様の町立学校への入学、教育の相談については、是非教育総務課へ。不登校傾向や発達障害等、様々な問題に全力で対処していきます。 
 ※担当、阿部指導主事 TEL:0246-84-5210

 ビジョンと議論の大切さについて

 これまで、教育長の立場で様々な会議に参加してきました。その中で町の将来をどう考えるのか、双葉町のそして双葉郡の教育をどう進めるか、将来のビジョンに関する議論を多く経験してきました。そうした議論を通じて、議論の大切さについて考えさせられました。皆さんにも是非考えて欲しいと思います。

 双葉郡教育復興推進ビジョン
 双葉郡内の教育長会では、平成25年7月に震災後の教育復興についてのビジョンを取りまとめました。
 目的は二つ、「双葉郡の復興や持続可能な地域づくりに貢献し、全国や世界で活躍できる人材を育成する」、「子どもたちの実践的な学びで地域を活性化し、復興につなげる」です。そして翌年4月より、ビジョンの実現に向けて種々の取り組みが始められました。郡内全小中高校で取り組んでいる「ふるさと創造学」「教員研修」「絆作りイベント」等です。このような取り組みを通じ、教員や子どもたちそして保護者や地域住民の間に、「授業が変わった、子どもが変わった」という意識の変化様々な状況の変化も生まれています。

 復興まちづくり長期ビジョン
 昨年3月、町民代表24名から成る「双葉町復興推進委員会」による「双葉町復興まちづくり長期ビジョン」が策定されました。平成26年4月より述べ11回もの議論を経て策定されたものです。まず、こうした町の将来像に関するビジョンを持つことは、当然ながら大変重要です。今後進むべき町の方向性、復興プランが示されたのです。どのような組織も、組織の大小にかかわらず、達成すべき目標と目標を達成するためのビジョンや具体策が立てられます。学校でも同様のビジョンや計画が毎年作られています。実に大切なものです。

 ビジョンに対する様々な声
 本年度実施された全国14カ所での町政懇談会で、この「双葉町復興まちづくり長期ビジョン」の概要が町執行部より説明され、これについて町民から様々な意見が出されました。「今の状況でこのような計画が果たして進められるのか、絵に描いた餅ではないか」、「いつごろ何の計画が着手可能になるのか、具体的な年度を示して欲しい」、「線量の高い、石熊、山田地区はどうなるのか」、「いつになったら町に帰還できるのか」等々の意見です。これらの質問や意見に対して町から回答はあったものの、明確な数値目標は示されていません。平成30年頃には基礎的インフラの整備に取組み、そして概ね5年~10年を目標に「復興産業拠点」を整備するというビジョンの中身について、懇談会の参加者からは、「もっと具体的な数値目標を」との声も聞かれました。依然として、先の見えない帰還目標、復興計画に明るい希望を見出せない不安やもどかしさを感じており、先ほどのような質問となって出されたように思います。

 議論の有効性、予想外の状況の創出
 それでもビジョンを策定した意義はある、と考えます。まず第一に策定に関わった委員の皆さんの熱のこもった議論と懇談会で示された様々な意見は今後の復興に必ず役立つものだと考えるからです。町の執行部に対する新たな検討材料となり、町民にとっても町の復興を考える材料が与えられたからです。今後、さらに多くの議論が起こることが予想されるし、新たなビジョンが出される可能性もあり、それにより復興計画が修正されることもあるかも知れない、と考えています。実際、双葉郡の教育復興の取組みの中で、「ふたば未来学園高校」への入学者の殺到、併設中学校の新たな設立等、予想外の状況が生まれているのです。自由な想像、議論は有用です。議論によりそれぞれの思考が活性化され、町の組織としても強化されます。よく言われるように、議論なき組織は弱体化し、逆に議論により鍛えられた組織は簡単には衰退しません。
 議論のテーマは極めて難しく、町から示されたビジョンの修正など考えられるはずもない、と言われるかもしれません。しかし、これまで町民の皆さんは、避難生活の中で生涯学習や自治会活動、芸術・芸能活動、スポーツ大会、そして各種イベントや会議等に意欲的に参加し、それぞれの目標に向かい実に逞しく活動してきたと思います。このエネルギーを町の復興ビジョンにも発揮できるはずだと考えます。町政懇談会で、ある町民の方が、「町が一つになることが重要だ」と述べていました。多くの町民が復興ビジョンを思いめぐらし、アイデアを出し合い、議論を重ね、町民の気持ちが一つになり復興に邁進できるような雰囲気作りができれば、と考えています。そのためにも是非議論を!そして様々な組織、機会による議論を!

双葉町教育長 半谷 淳