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学校教育の充実を目指して(その23)_教育長メッセージ(2016年2月1日)

学校教育の充実を目指して(その23)_教育長メッセージ(2016年2月1日)
(2016年2月1日更新)
 埼玉県被災児童に係るスクールカウンセラー、竹川佳津子氏による報告書「東日本大震災により他県へ集団避難した児童への支援-スクールカウンセラーの避難先小学校での取り組み-」(加須市立騎西小学校へ転入された、双葉町の避難自動105名に対する3年間の支援活動の記録)が、筑波大学開設Webサイト『福島県双葉町の東日本大震災関係資料を将来に残す』の中の「活動の記録(その他の記録)」に掲載されました。
 昨年12月12日(土)、郡山市中央公民館で、双葉郡小中高校の児童、生徒が一同に会しての学習発表会「第二回サミット」が開催されました。郡内8町村の各小中学校そしてふたば未来学園高校、計9個のブースでの発表、展示があり、又双葉、浪江、富岡高校の展示コーナーも設けられました。どの学校の発表も内容が充実しており、発表態度も堂々としていました。会場には保護者や地域の人々も多くかけつけ、どの町村のコーナーも見学者で溢れていました。本町の小中学校も日頃の学習の成果を発表し、小学校では5,6年生が「元気な双葉町の人たちに会いに行こう」というテーマで様々な分野で活躍している人達へのインタビューを中心に発表しました。中学校では2年生が、「職場体験活動を通して町づくりを考える」というテーマで町の復興プランへの提案をしました。カレンダー作りにも取り組み、大きな関心を集めていました。
 新年度の町立学校への入学予定者は30名(幼稚園5名、小学校16名、中学校9名)です。詳細は、町のホームページをご覧下さい。お子様の町立学校への入学、教育の相談については、是非教育総務課へ。不登校傾向や発達障害等、様々な問題に全力で対処していきます。
 ※担当、阿部指導主事 TEL:0246-84-5210

 発想の転換について

 学習指導要領のねらい
 現在、文部科学省より幼小中高等学校に示されている学習指導要領では、大きなねらいとして、「子どもたちに知・徳・体のバランスのとれた『生きる力』を育むことを目指しており、『確かな学力』として、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決させるために必要な思考力、判断力、表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養うことを重視するものである」としています。それにより、小中学校ではもちろん幼稚園でも、「表現力・創造力の育成」を重視し、その土台としての言葉の学習の充実、自ら考える学習の重要性を唱えているのです。

 アクティブラーニング
 子どもたちの表現力・創造力を育成し、自ら考える力を高めるため、特に小中学校で要求されているのが、アクティブラーニングという学習方法です。「能動的な学習の仕方」、「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習方法」とも言われています。これまでの講義式で受動的な学習から自ら考え学ぶ、そして課題解決に向けて探究的に学ぶ方法へと変換しなくてはいけません。正に、現在の国際化、情報化社会をたくましく「生きる」ために必要な能力、態度を育成するための方法です。特に双葉郡の子どもたちにとっては、震災からの復興に向けてたくましく生きることが一層必要とされているように思います。

 発想の転換
 講義式の授業からの脱却、子どもたちに考えさせる指導の在り方については、これまでも追求されていましたが、全国の学校で今かつてないほどに、このアクティブラーニングの方法の研究が実に多くの教育現場で研究されています。「総合的な学習の時間」や他の教科学習、学校行事において、アクティブラーニングに基づく学習により、子どもたちの主体的な学びの姿、表現力、思考力、創造力の高まりが実証されているからです。正に発想の転換が図られているのです。双葉郡内の各小中学校で始まった「ふるさと創造学」はその試みです。一昨年、昨年と2年間の取り組みで、各学校の先生方の真摯且つ意欲的な研修、指導の成果が徐々に表れてきているように感じます。昨年12月に実施された「サミット」はその一例です。「ふるさと創造学」のねらいである、「地域について、地域の人と共に、地域の復興のために」探究的に考え、学ぶ子どもたちの実践が郡内小中高校それぞれで発表されました。子どもたちが生き生きと学ぶ姿が見られ、大きな前進です。

 困難な作業
 一方で、発想の転換は簡単な作業ではありません。これまで自らの方針として自信を持ち取り組んできたものは、簡単には変えられないものです。その意味で、双葉郡内各校の先生方が発想の転換を図り新たな挑戦に取り組んでいることは大いに評価されると思います。とはいえ、この2年間の取り組みですべての課題が解決されたわけではありません。肝心の子どもたちの帰還は進んでいません。今の取り組みの中身を検討する、あるいは別の新たな取り組みが必要なのかも知れません。更なる発想の転換に迫られています。教育内容のみならず、システムを変えることも考えなくてはいけない状況にあり、より大胆な発想に基づく新しい価値観を生み出すことが求められているのです。実に困難な作業であり、主体者の覚悟が試されています

 他の分野でも発想の転換を   
 発想の転換が必要とされるのは、教育現場だけではないように思います。町の復興についても同様に必要なのではないか、と考えます。未曾有の大震災からの復興という大変困難な課題を解決するためには、従来の発想とは異なる発想や価値観に基づく大胆な試みがやはり必要なのではないでしょうか。実際、町立学校の再開事業始め生涯学習や芸術文化、スポーツ関連事業そして町の復興委員会等の多くの事業で、従来とは異なる発想での取り組みがなされてきました。個人のレベルで考えると、町民の多くが長期に亘る避難生活の困難さを克服するために、文字通り必死になり様々な新しい考え方、取り組みを試みてきたと思います。今後更に避難生活からの物理的、精神的な解放を目指す時に、新たな価値観に基づく生き方を考え実践することで、より望ましい方向性を見出すことが可能になるのではないでしょうか。また、それにより町の復興に関しても新たな視点での個人の関わりが期待でき、町全体としても復興に向けて活性化していくのではないか、と考えます。 

双葉町教育長 半谷 淳