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学校教育の充実を目指して(その26)_教育長メッセージ(2016年5月1日)

学校教育の充実を目指して(その26)_教育長メッセージ(2016年5月1日)
(2016年5月2日更新)
 学校では、いよいよ新学期が始まりました。全国に避難している双葉の子ども達も、新たな気持ちで新学期を迎えたことと思います。「継続は力なり」それぞれが目標を持ち、毎日コツコツと努力していって下さい。

 町立中学校では、昨年度の実用英語技能検定(英検)で団体の部での成績優秀校に選ばれ、「ブリティッシュ・カウンシル賞」を受賞しました。他の皆さんも様々なことに挑戦し、自己の可能性を高めていって下さい。

 新年度の町立学校への入学者は35名(幼稚園7、小学校19、中学校9)です。詳細は、町のホームページをご覧下さい。お子様の町立学校への入学、教育の相談については、是非教育総務課へ。不登校傾向や発達障がい等、様々な問題に全力で対処していきます
※担当:横田指導主事 TEL:0246-84-5210


 町立学校の展望について


開校3年目を迎えて
 平成26年4月、震災後3年経過して、いわき市で開校した町立幼小中学校もこの4月で3年目を迎えます。

 幼小中学校11名でスタートし、3年目を迎えた今年は35名まで増えてきました。これまでの2年間の取り組みを踏まえて新年度以降どのような教育を展開していくのか、述べたいと思います。このことについては、町民の方も関心があると思います。是非、ご意見をいただければと思います。

避難先での新たな教育の創造
 開校後少しずつ子どもの数が増えているとは言え、震災前681人もの子どもが在籍していたことを考えれば、何とも少ない数です。また、現在在籍する35名の子どもの中には、他町村出身の子ども達が数名含まれています。こんなに少ない子どものままで、しかも他町村出身の子どもがいる双葉の学校をどのように進めていくのか、という質問が時折寄せられます。
 震災後は、郡内はもちろん、県内の多くの学校が他町村の子どもたちを受け入れています。このような緊急時の学校の在り方としては、ある意味仕方のないことです。他町村での開校を余儀なくされた双葉町としては、町への帰還の見通しが立たない現況において、当面、ここいわき市で腰を据えて、入学する子どもたちの増加と町立学校の充実を目指す方針です。
 双葉町の伝統文化・歴史の継承を踏まえ、いわき地方の人々、文化や歴史についてもあわせて学ぶことで、新しい双葉の教育の創造を考えていきたいと思っています。「発想の転換、新しい価値観に基づく取組み」が必要なのだと思います。

特色ある教育を前面に   
 入学する子どもたちを増やすためには、学校の評価を高めることが大切です。つまり成果を上げることです。その成果は学校の特色を活かすことにより得られるはずです。
 町立学校の特色として、一人ひとりを大切にす少人数教育、幼小中学校の連携による教育の一体化、ICT関連機器を生かした教育の充実を目指してこの2年間取り組んできました。他町村の子どもたちや不登校、障がい等の問題を抱える子どもたちも積極的に受け入れ、震災後の教育の在り方を追求してきました。
 その結果、子どもたちの学校生活が落ち着き、意欲的な態度が見られ、学校行事も充実し、学習成績や対外的な行事でも成果が見られ始めました。子どもの数も少しずつ増えてきています。
 新年度は更に英語教育にも目を向け、少人数教育のメリットを活かしながら、英語教育の改善に取り組みたいと考えています。英語教育は文部科学省の大きな改革案の一つでもあります。

双葉の子どもたちへの支援    
 町立学校を開校する前に、いわき市南台で、仮設住宅の子どもたちのために「放課後学習会」をスタートさせました。この2年半の取り組みで子ども達の学習習慣が次第に形成され、意欲も高まり、学力もかなり向上してきました。
 また、南台そして加須市では、日本臨床発達心理士会の皆さんが、震災以後定期的に子どもたちと様々な形で触れ合いながら心のケアに取り組んでいます。加須市の騎西小中学校には福島県から4名の教員が派遣され、約40名の双葉の子どもたちのために学習や心のケア等の支援をしています。

 他の子どもたちへの支援に関しては、これまでに、全国に避難する子どもたちの学校生活、家庭生活に関する相談についても数件寄せられ、対応策の協議をしてきました。昨年度はまた国の予算を活用し、全国に避難する子どもたち全員へ図書カードを送付し、好評を得ました。
 毎年夏に実施している「集まれふたばっ子」のイベントは双葉の子どもたちそして保護者の集いの場、絆作りの場として定着しており、開催を楽しみにしているとの声も多く寄せられています。震災後継続している子どもたちへの就学援助も、大切な支援の業務です。

町の復興と町立学校の位置づけ
 町の復興を考える際に、町立学校の充実は、町の将来を担う人材育成、町の歴史・伝統・文化の継承、町の組織の再生等、様々な観点から極めて重要です。町立学校を将来どのように進ませるべきか、入学者の増加、教育内容の充実等、他の復興事業同様、大変困難な問題を含んでいます。
 子どもの教育は、日々の成長、子どもの能力、可能性を最大限に活かすことに全力を注ぐことが大切です。その中で、町の復興計画の中でどのような位置づけにすべきか議論していくことが必要であろう、と考えます。町の復興も人材育成も共に重要な課題です。今の状況、長期的な展望、町の将来像を踏まえて、様々な角度から町立学校の在り方を考えていきたいと思います。町民の皆さんからのご意見をお待ちしています。

                                     双葉町教育長 半谷 淳