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学校教育の充実を目指して(その27)_教育長メッセージ(2016年6月1日)

学校教育の充実を目指して(その27)_教育長メッセージ(2016年6月1日)
(2016年6月1日更新)
 4月には、加須市立騎西小・中学校の入学式に出席しました。両校には、本町の子ども達が38名在籍しています。入学式に出席して分かったことは、式の進め方が福島県と違い、礼法をかなり重んじていることです。入学生が一人一人、呼名の際、檀上の校長先生に丁寧な礼をします。呼名の際の返事も大きく明瞭です。入退場も時間をかけ、全体として厳粛な感じがします。文化や伝統の違いが見え、大変興味深く思いました。

 新年度の町立学校への入学者は35名(幼稚園7、小学校19、中学校9)です。詳細は、町のホームページをご覧下さい。お子様の町立学校への入学、教育の相談については、是非教育総務課へ。不登校傾向や発達障がい等、様々な問題に全力で対処していきます。 
※担当:横田指導主事 TEL:0246-84-5210


 町を一つにすることについて


 町政懇談会より
 昨年度の町政懇談会での席上、ある町民が「町を一つにすることが大切である」という趣旨の発言をされ ていました。確かに、現在のこの困難な状況の中で町の復興を考える時、町民全体が一つの方向に向いて復興を目指すことは極めて重要で、しかも多くの町民が望むことでもあるように思います。
 では、「町が一つになる」とは具体的にどのようなことなのか、どのようにして一つになれるのか、考えてみたいと思います。

 妥協か反対か
 町の復興計画や取組みについては様々な意見があり、中には簡単に理解が得られるものもあれば、簡単ではない問題も見られます。そもそも町の復興という問題は、今回の原発事故同様かつて経験したことのない問題であり、町の存続に関わる問題でもあります。そのような極めて重要な問題に関して、町民の理解が簡単には得られるはずがない、と考えるのはある意味当然かも知れません。
 とはいえ、郡内の他町村が帰還に向けて具体的な取組みを示している中において我が町がうかうかしていられない、という考えも十分理解できるものです。多くの町民が参加し、多くの議論を経て完成した町の復興プラン、「双葉町復興まちづくり長期ビジョン」の取組みを一つ一つ実現するためには、やはり「町が一つになる」ことが求められます。考え方の違いは徹底した議論の中で調整し、妥協点を見出す以外に良い方法はないのではないかと思います。「否、絶対に妥協できない」とするならば、「町を一つにする」という考えには根拠がなくなってしまうでしょう。
 昨年、町の取組みについてある町民と議論し互いに主張をぶつけ合いましたが、その町民が復興のために努力していることを自分が称賛し、互いに批判するばかりでなく共に町の復興のために努力しようということが確認することができました。「やはり相手が理解できるような議論が大切だ」とつくづく考えさせられました。

 エゴを捨てよ   
 外国のある音楽家がかつて、世界中の貧困に苦しむ多くの子ども達の支援の音楽プロジェクトをスタートさせようとした時、参加者へ「エゴを捨てよ」と呼びかけました。世界中の多くの人々がプロジェクトの意義を理解し困難なプロジェクトを成功させようとするためには、一人一人の「エゴを捨てる」ことが大切である、と言いたかったのだと思います。
 このような事例を本町の復興と同様に考えるのは筋違いである、と言われるかも知れませんが、町の復興プランに対する批判や反論に終始するのみでは、町の復興は到底おぼつかないので、修正案なり対案なりを示していくことでより建設的な議論になり、そのような態度や方向性によっては、「町を一つにする」ことが可能になるかも知れないという期待感が出てきます。

 予想を超える成果    
 2年前に町立学校の開校の方針を固めた時、何人の子どもが入学するのか全く見通しが持てない中で、幼小中学校11名が入学し、今年は35名になりました。また、昨年4月広野町に開校した「ふたば未来学園高校」も当初は、「原発の汚染水等の風評により生徒が集まるはずがない」、と開校への否定的な意見が数多く見られましたが、様々な努力により予想を上回る入学生が集まりました。予想もつかない状況の中で、明確な方針を持ち、様々な支援や協力を上手く活用することによって、困難な取組みも成功に導くことができるのだと思います。
 町の復興プランも実現には長期に亘るものがほとんどで、しかも困難さを伴うものばかりですが、決して悲観することはありません。明確な復興時期を示せない中でも、風評を超えて、予想を超え実現できるものが必ず見いだせるはずです。大切なことは、その考え方を多くの町民が理解し、共通の視点を持ち組織的に、取組みことです。「やれる、できる」という成功体験は次の取組みにも活かされるはずです。

 方法は一つではない    
 一方で、町の復興プランは多くの困難且つ複雑な問題を含んでおり、必ずしも絶対的なものではないという意見も聞かれます。原発事故の難しさでもあります。それでも「町を存続させる、そのために早期復興は必要だ」という思いは共通のものだと考えます。だとすれば、やはりそれぞれの異なる意見、復興プランを互いに示し調整し、一つの方向性でまとまることが大切ではないかと思います。「町が一つになる」ということの意 味と内容について、町民一人一人が考える時期にきていると思います。

双葉町教育長 半谷 淳