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学校教育の充実を目指して(その38)_教育長メッセージ(2017年3月23日)

学校教育の充実を目指して(その38)_教育長メッセージ(2017年3月23日)
(2017年3月23日更新)

昨年11月に全国の小中学生の子どもたち及び保護者に向けて、いじめに関するメッセージを送付したところ、数件の相談が寄せられました。内容は様々ですが、「いじめ」の事実に対してどのように対応してよいかかなり悩んでいる様子がうかがえます。同様の問題で悩んでいる場合は、どうぞ遠慮なくご相談ください。可能なかぎりアドバイスをしていきたいと思います。
 いわき市で町立学校に在校する子どもの数は現在44名(幼稚園9、小学校23、中学校12)です。今年度4月より9名(幼1、小5、中3)増えました。次年度への入学希望者も出ており、子どもの数は更に増えそうです。詳細は、町のホームページをご覧下さい。お子様の町立学校への入学、教育の相談については、是非教育総務課へ。不登校傾向や発達障がい等、様々な問題に全力で対処していきます。 
※担当:横田指導主事 TEL:0246-84-5210



 退任にあたって
 
 貴重な経験
 平成25年7月に双葉町教育長に選任されて以来、今月末で3年9カ月を迎えます。この度、諸事情により任期途中ではありますが、退任させていただくことになりました。
 双葉町の教育長として学校開校事業他多くの仕事に携わる関わることができましたことは、自分にとって得難い経験であり大変貴重な財産となっように思います。先ずもってこのような機会を与えて頂いた伊澤町長始め町議会の皆様に心より感謝したいと思います。また、自分の関わった町教育委員、町社会教育委員、町体育協会やスポーツ推進委員会、芸術文化団体連絡協議会他の委員会の皆様に対してもご協力に感謝します。町の様々な組織が皆様のご努力により、震災後力強く復活してきたことは、大変喜ばしいことであり、感動的ですらあります。更には、仕事を通じて多くの素晴らしい双葉町民の皆様と触れ合えこと、満足感で一杯です。本当にお世話になりました。
 
 町立学校開校の意義
 教育長としての仕事の中で、最も重要な仕事は役場機能のあるいわき市での町立学校の開校でした。平成26年4月の開校時、幼少中合計11名という極めて少人数でのスタートでしたが、その後毎年10名ずつ増え、現在44名になりました。新年度には更に数名の入学が見込まれています。子どもの数が増えたことは、まず第一町立幼稚園、小中学校の先生方の指導の成果によるものですが、町当局、議会そして町民の支援も大きな力になったことは間違いありません。町の行財政の力と知恵の結集の成果とも言えると思います。いわき市当局、いわき市教育委員会そして市民の協力も成功の要因の一つだと考えています。
 子どもたちの様子を見て感じることは、やはり震災後の避難生活の影響で精神的に疲れている思われる子どもがかなり身受けられるということです。そうした子どもたちが先生方の丁寧な指導により少しずつ回復し、学習やスポーツに意欲的に取り組む姿が見られることは、何より喜ばしいことです。これだけでも十分に開校した意義は認められますが、それだけではなく、町立学校の環境に慣れ精神の安定を取り戻してからの集中力の素晴らしさは実に驚くべきことです。学習成績の向上はもちろんのこと、学校行事や各種コンテストへの参加等、同じ子どもかと疑うほどの向上が見られるのです。「文教の町、双葉の子どもの優秀さ」を改めて感じています。町立学校に通う子どもは、双葉町以外の子どもたちもいます。この震災後の特殊な状況を考えると、やむを得ないことだと思います。双葉の子どもたちも全国のそれぞれの避難先の学校にお世話になっているのです。
 町立学校開校は、町の復興を考える上で重要な役割を果たしていると思っています。町の将来を担う人材育成そして町の組織の活性化を促す起爆剤としての役割です。「子どもの元気な姿で大人も元気になれる」ことは多くの被災地で見られる現象です。町民の心の復興(精神の安定、生活意欲の向上)に結びつくことも十分に期待できます。したがって、今後もさらに入学する子どもの数を増やし、子ども同士が切磋琢磨する環境を創り上げ、同時いじめのない、少人数教育、英語教育等双葉の学校ならではの特色ある学校作に全力で取り組む必要があります。
 双葉町の子どもたちは、町立学校に通う子どもだけではなく、全国各自治体に避難している子どもも相当数います。この子どもたちが、それぞれの避難先でそれぞれに努力しており、学習やスポーツ・芸術等、活躍しているニュースも聞かれ、大変嬉しく思います。一方で、「いじめ問題」で悩む子どもたちの保護者からの相談も数件寄せられました。全国各地で「いじめ問題」が発生しており、新たな社会問題であり、これ以上問題が拡散しないよう、「フクシマ」の子どもをこれ以上苦しめることのないよう、すべての大人たちがそれぞれの立場で共に手を取り合って対策を講じなくてはいけないと考えています。

 町の復興と町民の想い
 この間、学校教育他、町の復興に関する様々な協議に参加することができ、町の復興について様々なことを考えさせられたこと、やはり貴重な経験だったと感じています。町の復興は実に困難で長期にわたることは、多くの町民が理解していることです。そのような困難な事業をいかに進めるか、ここでも町民の英知を結集し、議論に議論を重ねながら方向づけをしなくてはいけません。中間貯蔵や廃炉作業、汚染水問題や放射線被ばく等多くの不安と問題と格闘しながらの復興作業は、2011年の震災同様、未曽有のかつて経験したことのない作業です。簡単には進まない問題が山積みの中で、復興もやはり簡単には進まないのは当然だと思います。
 一方で、町立学校の開校、そして子どもたちの活躍が町の復興へのステップになるだろう、ということは先に触れましたが、町の各種委員会や生涯学習そして様々なイベントを通じて感じるのは、震災後の厳しい状況から脱して新たな生活を始めようとする町民の意欲、双葉町の伝統、文化、歴史を継承しようとする町民、特に若者たちの故郷双葉町への熱烈な想です。このエネルギーを町の復興にどのように生かしていくべきか、考えるべきです。町の復興計画の議論に、町民の復帰を促すためのビジョン作に、若者が戻りたいと思うような町づくりのアイデア募集に、そして町外コミュニティー再生の起爆剤となるような役割に、町民のエネルギーを活用しない手はないだろう、と考えるに至りました。
 「言うは易し、実行は難し」で、簡単ではないことは百も承知です。でも何とかしたい、との思いで復興についての意見を述べさせていただきました。教育長の職を離れても、何らかの形で町に関わりながら、町立学校の未来と町の復興への歩みを見つめていきたいと思います。本当にお世話になりました。

  
                                     双葉町教育長 半谷 淳