1 精神的損害(慰謝料)について、増額されます。
精神的損害(慰謝料)については、東電への直接請求では増額されません。
しかし、紛争センターでの手続き(ADR)では、最近、増額が認められる事例が多数あります。
もちろん全ての事例というわけではありませんが、家族の離散があったり、介護が大変だったり、身体や精神に障害があるなどの事情がある場合には、3割から5割増しの事例が出てきています。
また、ADRの場合には、「清算条項」を付けませんので、もし今後、同じような事情でさらに大きな増額が認められるような事案が多数見られた場合には、すでに和解済みの期間分も含め増額を請求できることになります。
※「清算条項」=「これ以上は、東電に対して請求できなくなる」という意味です。
2 家財(双葉町の家に置いてきたもの)の賠償が認められます。
これは東電への直接請求は、まだ始まっていません。
これについても「清算条項」を付けませんので、今後、個別にもっと財産があったということを証明できれば、さらに請求することが可能となります。
3 原発賠償の損害項目は大変多岐に渡ります。これを、専門家である弁護士によって、ADR申立書を作成し、網羅的に、整理して請求することができます。
これら以外にも、現時点での仮払金の清算がなされない、入通院していた方の慰謝料が高く認められるなど、ADRで解決することのメリットは多数あります。
A2.確かに、ADRで和解案が出されるまで一定の期間が必要です。
その大きな原因として、直接請求では納得いく賠償がなされないために、ADRの申立件数が増加しており、紛争センターの人員不足から、なかなか手続が進まないことがあります。
そこで、弁護団としましては、紛争センターを通じて何度か東電とやり取りをした結果、争いがなくなった部分について一部和解を行うことによって、東電に少しでも早く賠償金を支払わせ、皆さんが落ち着いて本格賠償を行えるようにしています。
具体的には、ADRの申立後、3~5か月位で、一部和解金(争いのない(1)避難費用、(2)休業損害、(3)慰謝料の基礎部分等)が支払われるよう弁護団としては努めています。
皆さんは、一部和解金を受け取った上で、その後、本和解を検討していくことになります。
こちら(PDF形式:673KB)もご参照ください。