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町長メッセージ_令和2年3月1日

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町民一人一人の復興"と"町の復興"をめざして

町長メッセージ_令和2年3月1日
(2020年3月1日更新)

町民の皆さまへ

 

 3月を迎えました。東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故から早いもので9年の月日が過ぎようとしています。全町避難という世界にも類を見ない非常事態に見舞われ、長い間町民の皆さまに町の復興や帰還について具体的にお示しすることができない状況が続きましたが、念願であった双葉町の復興を目に見える形で町民の皆さまに実感していただくことができるようになりました。

 

 今月4日には浜野、両竹地区の避難指示解除準備区域とJR双葉駅周辺等の一部区域の避難指示が解除され、特定復興再生拠点区域内全域の立入規制が緩和されます。それに伴い双葉町コミュニティーセンターにて双葉町役場コミュニティ―センター連絡所を開設し業務をスタートさせます。

 また7日には、整備を進めていた常磐自動車道、常磐双葉インターチェンジの供用が開始されます。

 さらに14日は、JR常磐線の全線開通に合わせて東西自由通路を兼ね備えた新しい駅舎が完成します。東京と仙台を結ぶ特急列車が双葉駅にも1日上下3本ずつ停車するほか、普通列車は1日各11本停車します。町民の皆さまも是非お越しいただき、新しい駅舎や町の復興状況をご覧ください。

 本年夏頃には、福島県で整備を進めている「東日本大震災・原子力災害伝承館」が完成予定で、また、隣接して町が整備している産業交流センターについても計画どおりに建設工事が進んでおり、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に開業できるよう、整備を進めております。東日本大震災・原子力災害伝承館、産業交流センターを活用した情報発信を行うことにより、周辺の施設とも連携しながら、被災地への人の流れを生み、本格復興に向けた推進力としての役割が期待されます。さらに、中野地区復興産業拠点には12件17社の企業の進出が決まっており、順次、操業が始まっていきます。

 「住む拠点」として整備する駅西側地区においては、用地取得が進んでおり、令和4年春頃の居住開始を目指して、帰還者向け戸建て住宅32戸、帰還者や就業者向け集合住宅56戸の建設、分譲地の整備など帰還後の環境整備を進めております。

 双葉町の基幹産業である農業については、農業の復興・創造を目指し、耕作再開に向けて地元農業者と連携して、農地の保全管理組合の設立準備等を目指し鋭意取り組んでおりますので、町民の皆さまの一層のご理解をご協力をお願いいたします。

 ようやく念願であった帰還に向けた事業が動き、目に見える形で取り組みをお示しすることができるようになりました。しかし、まだまだ復興に向けて乗り越えなければならない多くの課題があります。双葉町を必ず復興させるという強い信念のもと、着実に事業を進めてまいる所存です。

 

 震災から丸9年にあたる3月11日にはいわき市錦町において「東日本大震災双葉町追悼式」を挙行いたします。震災で亡くなられた方、またふるさとに帰ることができずに無念のまま避難先で亡くなられた方々に対し、心からご冥福をお祈りするとともに町への帰還に向けて復興事業が着実に進んでいることを報告したいと思います。

 

 今年に入り、中国湖北省武漢市での発生が確認された新型肺炎コロナウイルスの感染が全世界に急速に拡大しており、日本国内の死者も出て連日のようにマスコミが報道しています。過剰に心配することなく手洗いやうがい、マスクの着用など感染症の予防対策が重要であると言われていますので、感染症に対する正しい知識を身につけるとともに、日ごろから予防対策を励行されますようお願いいたします。

 

 双葉町長 伊澤 史朗