本文にジャンプします
メニューにジャンプします

町長メッセージ_令和3年1月1日

TOOLCLOSE
MENUCLOSE
町民一人一人の復興"と"町の復興"をめざして

町長メッセージ_令和3年1月1日
(2021年1月4日更新)

 双葉町の新たな未来へ

 

 令和3年の輝かしい新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げますとともに、町民の皆さまのご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げます。

 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故による全町避難から、10年目を迎えました。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の世界的なまん延により、社会生活に大きな影響を及ぼしました。感染拡大を防止するため新しい生活様式を実行し、東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、多くの人が集まる行事も中止や延期、規模縮小となり、町民の皆さまの自治会や行政区の交流会等の行事もほとんどが中止となりました。新しい年を迎えても新型コロナウイルスは収束する気配が見えず、震災後も有志の方々により毎年開催されてきた双葉町ダルマ市も今年は中止となりました。町民の皆さまは、ふるさとから離れての避難生活に加えて、さらに人との交流ができないという大変な状況にあることと思います。

 そのような中でも双葉町では、昨年3月には、常磐双葉インターチェンジが供用開始となるほか、JR常磐線の全線開通に合わせてJR双葉駅舎の東西自由通路が完成し、避難指示解除準備区域と双葉駅周辺の一部区域の避難指示が解除され、特定復興再生拠点区域内の立入規制の緩和区域が設定されました。また昨年秋には「働く拠点」として位置付けている中野地区復興産業拠点内に双葉町産業交流センターや県の東日本大震災・原子力災害伝承館、復興祈念公園の一部が完成しました。産業交流センターは、働く拠点内の中核的施設として施設内に貸事務所及び商業施設を備えています。また町内事業者の事業再開に向けた立地支援と企業誘致にも積極的に取り組み、現在17件、22社との立地協定の締結を行いました。さらに立地を希望している数社の企業との協定締結に向けて協議を進めているところです。

 町の基幹産業である農業再生に向けた取り組みも大きく前進した1年でした。一昨年に続き両竹地区農地保全管理組合により野菜の出荷・摂取制限解除を目的とした試験栽培を行い、新たに下羽鳥・長塚地区農地保全管理組合、上羽鳥地区農地保全管理実行組合でも野菜の試験栽培が始まった一方、本格的にトラクターによる農地の耕起や除草などの保全管理作業が行われております。また、農業再生に向けた地権者座談会を開催し、農家の皆さまのご意見やご要望をお聞きしながら営農再開ビジョンの作成に取り組んでいます。

 「住む拠点」として整備している駅西側地区については、『標葉の谷戸に抱かれたフロンティア「開拓者」と共に育むなりわい集落』をコンセプトに令和4年春頃の居住開始を目指して、災害公営住宅等を核に、自然環境を活かし「なりわい暮らし」を通じ、コミュニティを創るまちづくりを進めております。座談会やまち歩き等を通じて町民の皆さまや移住を希望される方とともに検討を進めていきます。

 また、東日本大震災後、いわき市に移していた役場本体機能を令和4年春頃を目標とした住民帰還開始に合わせて双葉町に戻すため、JR双葉駅東側に暫定の役場庁舎を新たに建設する予定としております。

 さらに町民の皆さまの生活を支える各種支援策の継続・拡充や原子力損害賠償についても今後も粘り強く国等に要請していく所存です。

 本年も新型コロナウイルス感染症対策やふるさと双葉町を未来に繋いでいくために、議会と連携しながら職員とともに町の復旧・復興、並びに町民の皆さまの生活支援や絆の維持に関する事業に精力的に取り組み、特定復興再生拠点区域復興再生計画に基づき各種事業を着実に進め、令和4年春頃の住民帰還を目指して帰還環境整備を加速してまいりますので、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。

 寒さの厳しき折、町民の皆さまには健康に留意され、本年が良き年となりますようご祈念申し上げ年頭の挨拶といたします。

                                   双葉町長 伊澤 史朗