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町長メッセージ_令和2年11月1日

町長メッセージ_令和2年11月1日
(2020年11月2日更新)

町民の皆さまへ -町の復興状況と今後の取り組み-

 

 長期にわたる避難生活大変お疲れさまです。東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から間もなく10年が経とうとしていますが、町民の皆さまにおかれましては、今なお厳しい避難生活により大変なご心労とご苦労をおかけしております。加えて今年は新型コロナウイルスが猛威を振るい感染者の増加が未だに続いて収束が見通せない状況であり、日常生活にも影響を及ぼしています。しかし、いかなる状況下にあっても復興への手を休めることなく、数々の困難を乗り越え、復興を加速化しなければならないと考えております。

 町では、今年度も町政懇談会を県内外11カ所で実施して町の復興状況について町民の皆さまと対面しながらご説明をし、ご意見やご要望等をお聴きするべく準備を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を第一に考慮して止む無く中止といたしました。

 そのようなことから、町内の復興状況並びに今後の取り組み等についてこの場で説明をさせていただきますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

 町内の復興状況については町公式ホームページや復興ポータルサイト、タブレット端末等で随時お知らせしておりますが、今年、双葉町では復興に向けての大きな動きがありました。まず、34日に避難指示解除準備区域とJR双葉駅周辺の一部区域の避難指示区域の解除、特定復興再生拠点区域内の立入り規制緩和を行いました。さらに町内で双葉町役場コミュニティーセンター連絡所を開所し、業務をスタートさせました。37日には常磐自動車道常磐双葉インターチェンジの供用が開始され、314日にはJR常磐線の全線開通など復興に向けて大きな一歩を踏み出しました。

 

・中野地区復興産業拠点について

「働く拠点」や「発信拠点」としての中野地区復興産業拠点の整備については、9月20日に「東日本大震災・原子力災害伝承館」が開業するとともに、10月1日に双葉町産業交流センター(F-BICC)が開所しました。

 1階のフードコートには双葉駅前にあった株式会社伊達屋の「ペンギン」が復活し、ハンバーガーやソフトクリームなどファストフードの懐かしい味を楽しむことができます。また浪江町の仮設商店街「まち・なみ・まるしぇ」から移転、開業した立川商店の「せんだん亭」がなみえ焼そばを中心に、段階的に本格ラーメン、全国のご当地グルメなどを提供します。土産物屋・物産販売スペースには、株式会社マツバヤが「サンプラザふたば」として土産物などの物産や酒類などを、準備ができ次第販売する予定です。また大会議室、中会議室、小会議室、休憩室が備えてありますので、町民の皆さまにはつどいの場として、積極的にご活用いただきたいと思います。

 2階のレストランでは、東双不動産管理株式会社が運営するレストラン「エフ」が福島県産品にこだわった日替わりの洋食、和食ランチをおすすめのメインメニューとし、デザートと飲み物を添えて提供します。その他サイドメニューも用意してあります。

 また、貸事務所には、2階から4階に地元企業を含め10社の企業が入居しております。

 双葉町産業交流センターは、「東日本大震災・原子力災害伝承館」、と現在整備中の「福島県復興祈念公園」に隣接しており、町民の皆さまや貸事務所に入居された企業、中野地区に進出する企業、伝承館への来訪者等さまざまな人々が行き交い、新たなイノベーションを創出することを目指しており、産業交流センターを中心に双葉町に賑わいを生み出し、双葉町の未来を創り上げていきたいと思っております。

 町民の皆さまの一時帰宅の際や各種団体の会合等でもご利用いただけますのでぜひお立ち寄りください。利用案内については広報ふたば10月号でお知らせしておりますが、今後も町広報紙や町公式ホームページ、タブレット端末及びパンフレット等を活用して周知を図ってまいります。

 また併せて、地元雇用の創出につなげるため、復興産業拠点内に立地いただく企業の誘致を進めておりますが、現在17件、22社との立地協定締結を行っており、さらに数社の企業との立地協定締結に向けての協議を進めているところです。

 

・双葉駅からの交通手段について

 JR常磐線の全線開通や双葉駅新駅舎の開業を機に、公共交通によって訪れやすい、移動しやすいまちづくりを目指しています。そのため、3月13日よりJR双葉駅東口に多くの皆さまで共有してお使いいただく移動手段として、事前の会員登録と予約によって手頃な価格で自動車を借りられるカーシェアリングサービスを開始しております。

 また、9月20日より共有で利用できる自転車サービス、シェアサイクルの利用も開始しております。専用サイクルポートをJR双葉駅東口と産業交流センター北面の2カ所に設置し、100円のデポジット方式により実質無料でお使いいただけます。

 さらに、双葉駅東口から中野地区を結ぶ交通手段としてシャトルバスの運行を開始したところであります。

 

 ・駅西地区生活拠点について

 双葉町の将来像を先取りし、地方創生のモデルを示す「帰還したくなるようなまちづくりの実現」に向けて、令和4年春頃の居住開始を目指して双葉駅西側地区のうち4haを対象に、帰還者や就業者向け戸建て住宅32戸、集合住宅56戸を県が代行して整備し、標葉の谷戸に抱かれたフロンティア(開拓者)と共に育む「なりわい集落」として町民の皆さまが帰還できる、また双葉町に関心を持ち移住くださる方を集められる環境整備を進めてまいりたいと考えており、座談会の開催などにより、町民の皆さまと共に検討を進めていく所存です。

 

・住民帰還に向けた取り組み

 令和4年春頃の特定復興再生拠点区域全域の避難指示解除を目標に、帰還環境の整備を進めているところですが、町民の皆さまの帰還・居住に向けて特定復興再生拠点区域全域の避難指示が解除された場合に、円滑に生活を再開できるよう、自宅の本格清掃や修繕、農地の管理、店舗や事業所等の事業再開に向けた準備作業を進めやすくするため、町民の皆さまの宿泊を可能とする「ふるさとへの帰還に向けた準備のための宿泊」を、条件が整い次第、令和3年度のいずれかの時期で開始すべく検討を進めているところです。

 また、国道288号の帰還困難区域の特別通過交通制度の適用については、特定復興再生拠点区域へのアクセス道路を確保するとともに、工事用車両等の交通を円滑にし、復興・復旧事業の迅速化を図るため地元や住民へのバリケードの種類やバリケード設置の意向を確認し、関係機関との調整を進めているところです。適用時期については、関係機関との調整と準備が整い次第実施してまいります。

 

・特定復興再生拠点区域内の除染・建物解体について

 特定復興再生拠点区域の555ha全域で地権者の同意が得られた箇所から順次解体及び除染が進められておりますが、環境省からは、町が目標としている令和4年春頃の特定復興再生拠点区域全域の避難指示解除に向けては、当該地区全域の除染が完了するよう作業を進めていく方針が示されております。町としましては、特定復興再生拠点区域だけを復旧・復興させるということではなく、まずは特定復興再生拠点区域から町の復興を集中的に進めた上で、今後の工事の進捗を踏まえつつ、引き続き特定復興再生拠点区域の段階的な拡張を国に強く要望するとともに、町内全域の帰還環境の確保・避難指示解除に向けた見通しや取り組み方針を早急かつ具体的に示していただくよう要望しております。

 

・復興シンボル軸について

  令和2年7月17日に国道6号と県道広野小高線を結ぶ県道長塚請戸浪江線が供用開始となりました。国道6号から西側の約800m区間については現在、暫定供用となっており、また、JR常磐線のこ線橋の下部工、側道等の工事を進めており、令和3年度からJR常磐線こ線橋の上部工に着手する予定となっております。この工区より西側の長塚字原田地内から上羽鳥字大道地内までの約1.5km区間については、現道拡幅及び一部線形改良を行うため、現在、用地取得を行っており、今年度より工事に着手し、令和4年度の完成を目指しています。現在も通行は可能となっていますが、完成の折には、常磐双葉インターチェンジから中野地区復興産業拠点までを一本でつなぐ基幹道路となり、産業交流センターや東日本大震災・原子力災害伝承館、復興祈念公園へのアクセスがさらに容易となります。

 

・農業再生の取り組みについて

 特定復興再生拠点区域での農地除染が進捗しており、除染後、農地の保全管理により営農環境を整え、円滑な営農再開へとつなげていくため、保全管理組合の体制づくりを進めております。今年4月には上羽鳥地区、下羽鳥・長塚地区で保全管理組合が設立され、6月末から農地の除草や耕起等の作業を開始しております。この他、中田地区、下長塚地区においても組織化を行ったところであり、三字地区では保全管理組合の立ち上げに向けて話し合いを進めているところです。

 また、町民の皆さまが帰還後に野菜作りに取り組める環境整備の一環としての試験栽培が8月末から始まりました。両竹地区に3カ所、下羽鳥・長塚地区に2カ所、上羽鳥地区に2カ所の合計7カ所に実証用のほ場を設け、各地区の保全管理組合がそれぞれの実証ほ場に5品目の野菜を作付けしました。10月中旬頃から順次収穫そして検査が行われ、今回の結果を今後の出荷制限解除や営農再開に向けた取り組みに活かしてまいります。

 

・県内で発生した除染廃棄物である除去土壌について

 輸送開始から今年9月までに町内各保管場を含む中間貯蔵施設全体へ輸送された総量は約892万立方メートルです。搬出元については、現在、浜通り、中通りの25市町村で輸送が行われており、すでに県内59市町村のうち26の町村の輸送が完了しております。環境省では県内に仮置きされている除去土壌等の令和3年度末までの概ね搬入完了を目指しております。

 

・生活サポート補助金について

 避難されている町民の皆さまの生活を支援するため平成28年度から令和7年度まで10年間の「生活サポート補助金」事業を実施しております。9月末現在で平成30年度の受給率は94.24%、令和元(平成31)年度は84.15%、令和2年度13.74%となっており、未申請者への対策として、勧奨通知の送付、申請受付会の開催、個別訪問の実施、コールセンターからの架電など、引き続き、受給漏れのないように対応策を講じてまいります。

 

・高速道路無料措置と医療費の一部負担金等の免除

 高速道路の無料化の措置については、令和3年3月31日までの無料措置の延長となっております。また、医療費の一部負担金等の免除やその他現在実施されている生活再建に係る支援等につきましても、避難生活が続く限りこれらの支援措置が講じられるよう今後も国に強く要望してまいります。

 

 ・教育関係について

 町立学校では、今年度、双葉南小学校が15人、北小学校が15人、中学校が12人の合計42人の児童・生徒、ふたば幼稚園が5人の園児で学校生活や園生活を送っております。4月13日から新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために臨時休校の措置を取りましたが、オンライン授業を実施しながら継続的に学習・生活支援を行い、6月1日から全面的に教育活動を再開しております。

 今年3月4日に特定復興再生拠点区域内の立入り規制の緩和が実施され、町立学校施設等の除染も終了したことから、8月22日、23日の2日間、町内の小、中学校、幼稚園に残された私物の取り出しを、震災当時の児童生徒、園児と保護者などを含め209人が立ち入りました。今回の取り出しに参加できなかった希望者については今後取り出しを再度実施する予定です。

 町内の学校施設等については、帰還人口の推移を見据えながら「魅力ある学校」を構築するため、学校施設を含め公共施設の復旧調査を実施し、調査の結果を踏まえながら学校施設等の「学校等施設の在り方検討委員会」を立ち上げ、活用方法について丁寧に議論を重ね利用可否について今年度中に方針を決定したいと考えております。

 

 今月発行の広報ふたば11月号には町民の皆さまのご意見、ご要望をお聴きするための記入用紙を同封しておりますので、ご意見、ご要望等をご記入いただき期限内にご返送いただきますようお願いいたします。お寄せいただいたご意見、ご要望等については、まとまり次第、回答等を町公式ホームページに掲載していく予定です。

 

                                   双葉町長 伊澤 史朗